短編
※この内容はフィクションです。実在の人物、団体、事件とは一切関係ありません。
俺は今から寝ようと思う。
俺は看護系の専門学校を出た後5年ニートを続けているものだ。
無論この文章を読むお前は俺のことを見下して言うだろう、働けと。
だがそれは至極無責任な上から目線の、創造力の欠けた他者の批判であってそれは俺の存在とは関係ない。
俺の存在は俺にしか生きることが出来ず、その切実さは俺一人という個体の中で自己完結しており誰とも共有できないものだ。
パターン化し俺を型にはめるクズが多い世の中なのは知っている。俺の親も俺の才能を全く気づかない。
まず明確に言いたいのは、
(1)俺は軍師になるべき男であり
(2)ゆえに下らないブルーカラーな仕事を、たとえ短期にせよ関わるべきではなく、人生経験のためという愚凡な連中もいるが古代ギリシャ哲学者が労働をどのように捉えていたか考えれば俺が人生に対してもつこの態様は決しておかしくない。
俺はこの日本を変えてみせる。俺は偉大な男なのだ。
俺が父親に包丁を向けたことも最近あった、俺の親父は証券会社の役員だったが今は左遷された。このざまだ。俺は親父とは違う。俺は才能がある。
俺は親父みたいにいい大学にはいけなかった。でもそれは親のせいだ。
俺が大阪の、不良や在日の多い高校に入れさせられたところから悲劇は始まったのだ。
李や高原に胸ぐらをつかまれ、折角おばあちゃんにもらったお小遣い5万円をとられた悔しさ。俺は自殺したかった。
俺はとうとう切れた。
うちのBBAが朝飯をもってこなかった。病気で寝込んでいるとか言う言い訳を使って。
俺は家中をぶっこわそうと思い、通販で購入したチェーンソーでおふくろの大事にしていた創○学会のご本尊を切り刻んでやった。
その後外に出、好きな女に告白しようと思った。
このすがすがしさ!今俺は自由だ。まさに自由の身。
労働をせず親に資金を依存するということが、どれだけ牢獄の状態であることか。
俺は毎日トキメモをやりながら現実に引き戻される瞬間を、その瞬間を、ずっとこらえていたぜ。
そして俺は拳銃で自殺した。
まるで若きウェルテルのように。